
*ストーリーの結末詳細な内容が記載されていますのでご注意下さい。
告発のとき
In the Valley of Elah (2007)
・ドラマ(社会派)
WEB SITE WebSite(E)
・・・・・
スタッフ・キャスト
監督:ポール・ハギス
製作
ポール・ハギス、パトリック・ワックスバーガー
スティーヴ・サミュエルズ、ダーレーン・カーマニョ・ロケット
ラリー・ベクシー
製作総指揮
ボブ・ヘイワード、スタン・ヴロドコウスキー
デヴィッド・ギャレット、エリック・フェイグ
ジェームズ・ホルト、エミリオ・ディエス・バロッソ
原案
マーク・ボール
ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ジョー・フランシス
音楽:マーク・アイシャム
出演
トミー・リー・ジョーンズ:ハンク・ディアフィールド
シャーリーズ・セロン:エミリー・サンダース
ジェイソン・パトリック:カークランダー中尉
スーザン・サランドン:ジョアン・ディアフィールド
フランシス・フィッシャー:イーヴィ
ジョシュ・ブローリン:ブシュワルド署長
ウェス・チャップマン:ペニング
メカッド・ブルックス:ロング
ヴィクター・ウルフ:オルティス
バリー・コービン:アーノルド・ビックマン
ジョナサン・タッカー:マイク・ディアフィールド
ジェームズ・フランコ:カーネリー
ゾーイ・カザン:アンジー
ウェイン・デュヴァル:ニュージェント刑事
ブレント・ブリスコー:ホッジ刑事
グレッグ・セラーノ:マニー・ヌネス刑事
ブレント・セクストン:バーク少尉
デヴィン・ブロチュ:デヴィッド・サンダース
アメリカ映画
配給 ワーナー・インディペンデント・ピクチャーズ
2007年製作 121分
公開
北米:2007年9月14日
日本:2008年6月28日
製作費 23,000,000
北米興行収入 $6,777,741
世界 $29,527,293
・・・・・
アカデミー賞
第80回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優賞(トミー・リー・ジョーンズ)
・・・・・
ストーリー
2004年11月1日。
退役軍警察軍曹ハンク・ディアフィールド(トミー・リー・
ジョーンズ)の元に、息子マイク(ジョナサン・タッカー)が
イラクから帰還後、突然消息不明になったという連絡
が入る。
ハンクの家族は、10年前に軍の演習で事故死した
マイクの兄も含め軍人一家だった。
ハンクには、そんなディアフィールド家の息子が軍を抜
け出すことなど考えられなかった。
妻ジョアン(スーザン・サランドン)を残し、ハンクはマイク
の所属部隊のあるフォート・ラッドに向かう。
途中ハンクは、国際的な救難信号の意味のある逆さの
星条旗を見つけそれを直し先を急ぐ。
基地に着いたハンクだったが、帰還したマイクと同じ部
隊員ペニング(ウェス・チャップマン)、ロング(メカッド・ブ
ルックス)、オルティース(ヴィクター・ウルフ)らもマイクの
行方を知らないことを聞く。
ハンクは、宿舎のマイクの机から携帯電話を持ち出し、
内容の分析を町の若者に依頼する。
地元警察の刑事エミリー・サンダース(シャーリーズ・セ
ロン)に協力を要請したハンクだが、軍の管轄だと断ら
れてしまう。
しばらくすると、エミリーの元に切断された焼死体が
発見されたという連絡が入る。
遺体発見現場が軍の管轄内ということで、捜査を離
れるエミリーだった。
翌日、ハンクにその遺体がマイクだという連絡が軍か
ら入り、ハンクは遺体の確認に向かう。
軍警察のカークランダー中尉(ジェイソン・パトリック)
と無惨な遺体を確認したハンクは、マイクが暴行を受
け殺害され遺体を切断され焼かれたことを知る。
カークランダーは、麻薬絡みの組織の犯行の可能性
をハンクに伝える。
エミリーはこの事件が気にかかり、ハンクに頼まれて
事件現場に向かう。
ハンクの指摘で、殺害現場が軍の管轄外だとエミリー
は確信する。
妻ジョアンにマイクの死を知らせたハンクは、息子2人
を軍人にさせたことを彼女に責められる。
エミリーは、交通係から刑事に昇進したことを同僚から
妬まれ、嫌がらせを受けていた。
事件捜査を警察がするべきだと、署長ブッシュワルド
(ジョシュ・ブローリン)に食い下がり、エミリーは捜査を
開始する。
ハンクは、基地に到着したジョアンにマイクの遺体と
対面させ、ショックを受けた彼女はそのまま帰宅の
途につく。
エミリーは捜査状況をハンクに話し、事件が起きる
直前にマイクが複数の人間とチキン・ショップに寄っ
たことなどを確かめ、マイクの同僚の供述書を取ろ
うとする。
ハンクを自宅に招待したエミリーは、彼に食事後に
息子デヴィッド(デヴィン・ブロチュ)を寝かしつけるの
を任せる。
本を読んで聞かせるのが苦手なハンクは、デヴィッド
と同じ名前の人物が登場する、少年ダビデと巨人の
ゴリアテが相対するエラの谷の闘いの話しをして聞
かせる。
マイクの携帯電話の画像データなどが、次々ハンク
に送られてきて、息子が人間性を逸脱した行為をし
ていた事実も知ることになる。
そんな時、酒場のウェイトレスのイーヴィー(フランシス・
フィッシャー)がハンクの前に現れ、事件のあった土曜
の夜に、他のバーでマイクを目撃したことをハンクに知
らせる。
エミリーを呼んだハンクは、マイクの同僚が事件当日
一緒にいたことを黙っていた理由を探るよう指示する。
同僚の供述で、バーでマイクがトラブルを起こし、それ
が原因で仲間同士で小競り合いがあったことがわかる
が、同僚は犯行時間には基地に戻っていたことが分かる。
供述書の取れなかった同僚オルティースが、無許可除
隊になっていることを突き止めたエミリーは、潜伏現場
に向かい彼を捕まえようとする。
しかし、ハンクが先回りし彼を痛めつけ、エミリーにまで
傷を負わせてしまい、オルティースは証拠不十分で釈放
されてしまう。
翌日、マイクの時計を持った同僚が首吊り自殺をし、
彼がマイク殺しの犯人のように思えるが、ハンクと
エミリーは確信を持てない。
そんな時、以前犬を子供の前で水死させた、夫の異常
さをエミリーに訴えに来た女性アンジー(ゾーイ・カザン)
が、夫に殺されたという連絡がエミリーに入る。
アンジーの要請を親身になって聞き入れなかった警察
や自分の態度を悔やみ、マイクの事件捜査も進展しな
いエミリーは苦悩する。
遺体を引き取り帰宅しようとするハンクだったが、
エミリーが、マイクのクレジットカードのサインをしたの
が同僚のペニングで、チキン・ショップにはマイクがい
なかったことに気づく。
ハンクとエミリーは、ベニングとロングの引渡しを軍警察
に要請するが、カークランダーは2人が犯行を既に自供
したことを主張しそれを拒否する。
しかし、エミリーは逮捕令状をカークランダーに叩きつけ
ハンクの前で自供させることを強要する。
ベニングの自供を聞いたハンクは、マイクの死そのもの
よりも、携帯電話の動画で明らかだった敵兵への非人
道行為などが事実だったことなどにショックを受ける。
オルティースに謝罪したハンクは、マイクがメールで送っ
てきた一枚の写真の意味を彼に尋ねる。
ハンクはその写真が、車両を止めることが許されず、
子供を轢き殺したしまった時にマイクが撮った写真だ
ということを知る。
そのことに耐え切れず、自分に電話をかけてきた時の
マイクの悲痛なメッセージだったことをハンクは理解する。
そしてハンクは、エミリーに別れを告げ帰宅する。
ハンクは、マイクが戦場から送ってきた星条旗に気づ
き、その頃エミリーは、デヴィッドにダビデとゴリアテの
話しを聞かせ寝かしつける。
ハンクはその星条旗を逆さに掲揚し、マイクやその他
の兵士が体現している苦しみを世の中に訴える。
・・・・・
解説
「ミリオンダラー・ベイビー」で
アカデミー脚本賞を受賞し、
翌年の監督第1作「クラッシュ」
で、同作品賞を受賞したポール
・ハギス製作、監督、脚本の社
会派サスペンス・ドラマの秀作。
派手さも緊迫感もない内容だが、
”弱対強”とういテーマをしっかり
と軸に置き、戦場での心的外傷
後ストレス障害に悩む兵士の悲
痛な姿も鋭く描いたドラマ展開は
見事で見応え十分だ。
旧約聖書のサムエル記に登場する、
ペリシテ人の巨人兵士ゴリアテに、
羊飼いの少年ダビデがエラの谷で
闘いを挑んだという伝説を、原題と
ドラマのテーマにしている。
巨大な権力の下で活動するイラク
駐留アメリカ軍の一兵士マイクが、
父ハンクに残したメッセージ、小さ
な町の警察署内で、上司の嫌がら
せに遭いながら孤軍奮闘する女性
刑事など、ドラマの随所にダビデと
ゴリアテの伝説を投影している場面
が登場する。
そして、ラストのハンクがとる行動は、
一退役軍人が世界に向けて発する
緊急事態のメッセージとして締めくく
られる。
逆さに掲げられた星条旗をのバック
で流れる、アニー・レノックスのエンデ
ィング・ソングも非常に印象的だ。
主演のトミー・リー・ジョーンズの演技
は秀逸で、几帳面な退役軍人が、信
じていた息子や軍隊の堕落を知り絶
望しかけるものの、息子が最後にと
った行動を誇りに思い、ほとんど何も
語らず表現するラストの父親像は見
事としか言いようがない。
ポール・ハギスはこの役を、クリント
・イーストウッドに演じてもらうつもり
でいたが、年齢的な問題もありこれ
以上は映画に出演する意志のない
イーストウッドはこれを断ったらしい。
(彼はその後も映画出演するが・・・)
スーパーモデルのようなシャーリーズ
・セロンが、田舎の刑事役に適してい
ないイメージで見始めたが、かなり質
素なメイクで別人のようでもあり、美し
さだけでない実力を十分発揮し、孤軍
奮闘する熱血刑事を好演している。
スーザン・サランドンも出番は少ないが、
息子2人の死に直面する母親の心境を
演ずる姿は素晴しく存在感抜群だ。
軍上層部と警察の狭間で事件を処理
する難しい立場のジェイソン・パトリック、
55歳にしてトップレスバーのウエイトレス
まで演じてくれるフランシス・フィッシャー
なども共演している。
「ノーカントリー」でトミー・リー・ジョーンズ
と共演し期待していたジョシュ・ブローリン
だが、端役程度の出演がやや残念だ。
残念なのは、原題の”エラの谷で”という
素晴らしいタイトルを、何とかうまく表現し
た邦題にして欲しかったことだ。
・・・・・
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↑ DVD情報他 ↑ | 評価・お勧め度(満点★5個) ★★★★★ スタッフ・キャスト/製作年度/ 制作費/上映時間/興行収入他 アカデミー賞 ストーリー 解説 |
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スタッフ・キャスト
監督:ポール・ハギス
製作
ポール・ハギス、パトリック・ワックスバーガー
スティーヴ・サミュエルズ、ダーレーン・カーマニョ・ロケット
ラリー・ベクシー
製作総指揮
ボブ・ヘイワード、スタン・ヴロドコウスキー
デヴィッド・ギャレット、エリック・フェイグ
ジェームズ・ホルト、エミリオ・ディエス・バロッソ
原案
マーク・ボール
ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ジョー・フランシス
音楽:マーク・アイシャム
出演
トミー・リー・ジョーンズ:ハンク・ディアフィールド
シャーリーズ・セロン:エミリー・サンダース
ジェイソン・パトリック:カークランダー中尉
スーザン・サランドン:ジョアン・ディアフィールド
フランシス・フィッシャー:イーヴィ
ジョシュ・ブローリン:ブシュワルド署長
ウェス・チャップマン:ペニング
メカッド・ブルックス:ロング
ヴィクター・ウルフ:オルティス
バリー・コービン:アーノルド・ビックマン
ジョナサン・タッカー:マイク・ディアフィールド
ジェームズ・フランコ:カーネリー
ゾーイ・カザン:アンジー
ウェイン・デュヴァル:ニュージェント刑事
ブレント・ブリスコー:ホッジ刑事
グレッグ・セラーノ:マニー・ヌネス刑事
ブレント・セクストン:バーク少尉
デヴィン・ブロチュ:デヴィッド・サンダース
アメリカ映画
配給 ワーナー・インディペンデント・ピクチャーズ
2007年製作 121分
公開
北米:2007年9月14日
日本:2008年6月28日
製作費 23,000,000
北米興行収入 $6,777,741
世界 $29,527,293
・・・・・
アカデミー賞
第80回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優賞(トミー・リー・ジョーンズ)
・・・・・
ストーリー
2004年11月1日。
退役軍警察軍曹ハンク・ディアフィールド(トミー・リー・
ジョーンズ)の元に、息子マイク(ジョナサン・タッカー)が
イラクから帰還後、突然消息不明になったという連絡
が入る。
ハンクの家族は、10年前に軍の演習で事故死した
マイクの兄も含め軍人一家だった。
ハンクには、そんなディアフィールド家の息子が軍を抜
け出すことなど考えられなかった。
妻ジョアン(スーザン・サランドン)を残し、ハンクはマイク
の所属部隊のあるフォート・ラッドに向かう。
途中ハンクは、国際的な救難信号の意味のある逆さの
星条旗を見つけそれを直し先を急ぐ。
基地に着いたハンクだったが、帰還したマイクと同じ部
隊員ペニング(ウェス・チャップマン)、ロング(メカッド・ブ
ルックス)、オルティース(ヴィクター・ウルフ)らもマイクの
行方を知らないことを聞く。
ハンクは、宿舎のマイクの机から携帯電話を持ち出し、
内容の分析を町の若者に依頼する。
地元警察の刑事エミリー・サンダース(シャーリーズ・セ
ロン)に協力を要請したハンクだが、軍の管轄だと断ら
れてしまう。
しばらくすると、エミリーの元に切断された焼死体が
発見されたという連絡が入る。
遺体発見現場が軍の管轄内ということで、捜査を離
れるエミリーだった。
翌日、ハンクにその遺体がマイクだという連絡が軍か
ら入り、ハンクは遺体の確認に向かう。
軍警察のカークランダー中尉(ジェイソン・パトリック)
と無惨な遺体を確認したハンクは、マイクが暴行を受
け殺害され遺体を切断され焼かれたことを知る。
カークランダーは、麻薬絡みの組織の犯行の可能性
をハンクに伝える。
エミリーはこの事件が気にかかり、ハンクに頼まれて
事件現場に向かう。
ハンクの指摘で、殺害現場が軍の管轄外だとエミリー
は確信する。
妻ジョアンにマイクの死を知らせたハンクは、息子2人
を軍人にさせたことを彼女に責められる。
エミリーは、交通係から刑事に昇進したことを同僚から
妬まれ、嫌がらせを受けていた。
事件捜査を警察がするべきだと、署長ブッシュワルド
(ジョシュ・ブローリン)に食い下がり、エミリーは捜査を
開始する。
ハンクは、基地に到着したジョアンにマイクの遺体と
対面させ、ショックを受けた彼女はそのまま帰宅の
途につく。
エミリーは捜査状況をハンクに話し、事件が起きる
直前にマイクが複数の人間とチキン・ショップに寄っ
たことなどを確かめ、マイクの同僚の供述書を取ろ
うとする。
ハンクを自宅に招待したエミリーは、彼に食事後に
息子デヴィッド(デヴィン・ブロチュ)を寝かしつけるの
を任せる。
本を読んで聞かせるのが苦手なハンクは、デヴィッド
と同じ名前の人物が登場する、少年ダビデと巨人の
ゴリアテが相対するエラの谷の闘いの話しをして聞
かせる。
マイクの携帯電話の画像データなどが、次々ハンク
に送られてきて、息子が人間性を逸脱した行為をし
ていた事実も知ることになる。
そんな時、酒場のウェイトレスのイーヴィー(フランシス・
フィッシャー)がハンクの前に現れ、事件のあった土曜
の夜に、他のバーでマイクを目撃したことをハンクに知
らせる。
エミリーを呼んだハンクは、マイクの同僚が事件当日
一緒にいたことを黙っていた理由を探るよう指示する。
同僚の供述で、バーでマイクがトラブルを起こし、それ
が原因で仲間同士で小競り合いがあったことがわかる
が、同僚は犯行時間には基地に戻っていたことが分かる。
供述書の取れなかった同僚オルティースが、無許可除
隊になっていることを突き止めたエミリーは、潜伏現場
に向かい彼を捕まえようとする。
しかし、ハンクが先回りし彼を痛めつけ、エミリーにまで
傷を負わせてしまい、オルティースは証拠不十分で釈放
されてしまう。
翌日、マイクの時計を持った同僚が首吊り自殺をし、
彼がマイク殺しの犯人のように思えるが、ハンクと
エミリーは確信を持てない。
そんな時、以前犬を子供の前で水死させた、夫の異常
さをエミリーに訴えに来た女性アンジー(ゾーイ・カザン)
が、夫に殺されたという連絡がエミリーに入る。
アンジーの要請を親身になって聞き入れなかった警察
や自分の態度を悔やみ、マイクの事件捜査も進展しな
いエミリーは苦悩する。
遺体を引き取り帰宅しようとするハンクだったが、
エミリーが、マイクのクレジットカードのサインをしたの
が同僚のペニングで、チキン・ショップにはマイクがい
なかったことに気づく。
ハンクとエミリーは、ベニングとロングの引渡しを軍警察
に要請するが、カークランダーは2人が犯行を既に自供
したことを主張しそれを拒否する。
しかし、エミリーは逮捕令状をカークランダーに叩きつけ
ハンクの前で自供させることを強要する。
ベニングの自供を聞いたハンクは、マイクの死そのもの
よりも、携帯電話の動画で明らかだった敵兵への非人
道行為などが事実だったことなどにショックを受ける。
オルティースに謝罪したハンクは、マイクがメールで送っ
てきた一枚の写真の意味を彼に尋ねる。
ハンクはその写真が、車両を止めることが許されず、
子供を轢き殺したしまった時にマイクが撮った写真だ
ということを知る。
そのことに耐え切れず、自分に電話をかけてきた時の
マイクの悲痛なメッセージだったことをハンクは理解する。
そしてハンクは、エミリーに別れを告げ帰宅する。
ハンクは、マイクが戦場から送ってきた星条旗に気づ
き、その頃エミリーは、デヴィッドにダビデとゴリアテの
話しを聞かせ寝かしつける。
ハンクはその星条旗を逆さに掲揚し、マイクやその他
の兵士が体現している苦しみを世の中に訴える。
・・・・・
解説
「ミリオンダラー・ベイビー」で
アカデミー脚本賞を受賞し、
翌年の監督第1作「クラッシュ」
で、同作品賞を受賞したポール
・ハギス製作、監督、脚本の社
会派サスペンス・ドラマの秀作。
派手さも緊迫感もない内容だが、
”弱対強”とういテーマをしっかり
と軸に置き、戦場での心的外傷
後ストレス障害に悩む兵士の悲
痛な姿も鋭く描いたドラマ展開は
見事で見応え十分だ。
旧約聖書のサムエル記に登場する、
ペリシテ人の巨人兵士ゴリアテに、
羊飼いの少年ダビデがエラの谷で
闘いを挑んだという伝説を、原題と
ドラマのテーマにしている。
巨大な権力の下で活動するイラク
駐留アメリカ軍の一兵士マイクが、
父ハンクに残したメッセージ、小さ
な町の警察署内で、上司の嫌がら
せに遭いながら孤軍奮闘する女性
刑事など、ドラマの随所にダビデと
ゴリアテの伝説を投影している場面
が登場する。
そして、ラストのハンクがとる行動は、
一退役軍人が世界に向けて発する
緊急事態のメッセージとして締めくく
られる。
逆さに掲げられた星条旗をのバック
で流れる、アニー・レノックスのエンデ
ィング・ソングも非常に印象的だ。
主演のトミー・リー・ジョーンズの演技
は秀逸で、几帳面な退役軍人が、信
じていた息子や軍隊の堕落を知り絶
望しかけるものの、息子が最後にと
った行動を誇りに思い、ほとんど何も
語らず表現するラストの父親像は見
事としか言いようがない。
ポール・ハギスはこの役を、クリント
・イーストウッドに演じてもらうつもり
でいたが、年齢的な問題もありこれ
以上は映画に出演する意志のない
イーストウッドはこれを断ったらしい。
(彼はその後も映画出演するが・・・)
スーパーモデルのようなシャーリーズ
・セロンが、田舎の刑事役に適してい
ないイメージで見始めたが、かなり質
素なメイクで別人のようでもあり、美し
さだけでない実力を十分発揮し、孤軍
奮闘する熱血刑事を好演している。
スーザン・サランドンも出番は少ないが、
息子2人の死に直面する母親の心境を
演ずる姿は素晴しく存在感抜群だ。
軍上層部と警察の狭間で事件を処理
する難しい立場のジェイソン・パトリック、
55歳にしてトップレスバーのウエイトレス
まで演じてくれるフランシス・フィッシャー
なども共演している。
「ノーカントリー」でトミー・リー・ジョーンズ
と共演し期待していたジョシュ・ブローリン
だが、端役程度の出演がやや残念だ。
残念なのは、原題の”エラの谷で”という
素晴らしいタイトルを、何とかうまく表現し
た邦題にして欲しかったことだ。
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