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静かなる男

The Quiet Man (1952)
TheQuietMan.jpg評価・お勧め度(満点★5個)
★★★★★
スタッフ・キャスト/製作年度/
製作費/上映時間/興行収入他

アカデミー賞
ストーリー (詳細・結末あり)
解説 (簡略ストーリー)

  ↑ DVD情報他 ↑ 
ドラマ(ロマンス)
・・・・・
スタッフ・キャスト
監督: ジョン・フォード
製作
メリアン・C・クーパー
ジョン・フォード
原作:モーリス・ウォルシュ 
脚本:フランク・S・ニュージェント 
撮影:ウィントン・C・ホック
編集:ジャック・マレー
美術・装置
フランク・ホタリング
ジョン・マッカーシーJr.
チャールズ・S・トンプソン
音楽:ヴィクター・ヤング

出演
ジョン・ウェイン:ショーン・ソーントン
モーリン・オハラ:メアリー・ケイト・ダナハー
ヴィクター・マクラグレン:”レッド”ウィル・ダナハー
ウォード・ボンド:ピーター・ロネガン神父
バリー・フィッツジェラルド:ミケリーン・オグ・フリン
アーサー・シールズ:シリル・プレイフェア牧師
アイリーン・クロウ:エリザベス・プレイフェア
フランシス・フォード:ダン・トビン
ミルドレッド・ナトウィック:サラ・ティラン
チャールズ・B・フィッツシモンズ:ヒュー・フォーブス
ジェームズ・フィッツシモンズ:ポール神父
ショーン・マクローリー:オーウェン・グリン
ケン・カーティス:ダーモット・フェイ
ジャック・マックゴーラン:イグナティウス・フィーニー
メエ・マーシュ:ポール神父の母
マイケル・ウェイン:レース場の少年
パトリック・ウェイン:レース場の少年

アメリカ映画
配給 Republic Pictures
1952年製作 129分
公開
北米:1952年8月14日
日本:1953年3月12日
製作費 $1,750,000

・・・・・
アカデミー賞
第25回アカデミー賞
受賞
監督・撮影賞(カラー)
ノミネート
作品
助演男優(ヴィクター・マクラグレン)
脚本・美術(カラー)賞

・・・・・
ストーリー
1920年代、アイルランド
アメリカのピッツバーグからやって来たショーン・ソーントン
(ジョン・ウェイン)は、平穏な生活に憧れ、故郷の片田舎の
村イニスフリーに向かおうとする。

キャッスルタウン駅。
ショーンは、自分の荷物を勝手に運び始めたミケリーン・オグ
・フリン(バリー・フィッツジェラルド)に、村まで案内してもらうこ
とになる。

途中、ミケリーンは、ショーンの巨体や出身地を気にしながら
馬車を走らせる。

石橋に差し掛かり馬車を降りたショーンは、あるあばら家を見
て、持ち主の未亡人サラ・ティラン(ミルドレッド・ナトウィック)か
ら、必ずあの家を買い取ると断言する。

それを不思議に思うミケリーンに、ショーンは自分がこの地で
生まれたことを伝える。

鼻たれ坊主だったショーンを思い出したミケリーンは、どうす
ればこれほどまでに成長するのかと驚いてしまう。

その後、教区の司祭ピーター・ロネガン(ウォード・ボンド)に出
会ったショーンは、ミケリーンに彼を紹介される。

ロネガンもショーンを覚えていて、彼とは翌日のミサの話しな
どをして別れる。

ショーンは、燃えるような赤毛の娘メアリー・ケイト・ダナハー
(モーリン・オハラ)を見かけ一目惚れするが、ミケリーンはそ
れを揉め事の前兆として心配する。

翌日、ミサの後、教会の入り口でメアリー・ケイトを待っていた
ショーンは、婚約者の間のみで許される行為をしてしまう。

メアリー・ケイトもそれに応えたため、それを見ていたミケリーン
は、ショーンに気性の荒い彼女を警戒するよう忠告する。

村一番の財産家でもあるティラン夫人を訪ね、彼女の所有物
になっていた生家を買取ろうとするショーンに、隣人の大地主
”レッド” ウィル・ダナハー(ヴィクター・マクラグレン)が横槍を
入れる。

ダナハーが、ティラン夫人といかにも親しいかのような口ぶり
で話し始めたため、彼女は気分を害しその家をショーンに売
ってしまう。

帰宅したダナハーは、苛立ちながら妹メアリー・ケイトの前で
酒を飲み始め、使用人イグナティウス・フィーニー(ジャック・マ
ックゴーラン
)にショーンの名前を手帳に書かせ恨みを抱く。

ショーンが隣の家を買ったことを知ったメアリー・ケイトが、
彼の肩を持ったため、兄妹は一触即発となる。

その頃ショーンは、宿泊先に隣接するパブにいた客に、挨拶
代わりの酒を振舞おうとする。

老人ダン・トビン(フランシス・フォード)は、ショーンの名前を聞
き彼の家族を思い出し、一気に打ち解けてダーモット・フェイ
(ケン・カーティス)なども集い和やかな時を過ごす。

そこに、ダナハーとフィーニーが現れ、ショーンの歓迎ムード
にケチをつけ、教会の前で妹メアリー・ケイトに対してとった
無礼を批判する。

ショーンはそんなつもりはないことを伝えるが、嘘つき呼ばわ
りされたダナハーは憤慨し暴れ始める。

そこに、ロネガンが現れ仲裁に入り、二人は”固い”握手をし
て別れ、ショーンは再び人々と酒を酌み交わす。

その後、買い取った家に向かったショーンは、誰かが掃除をし
てくれているのに気づく。

隠れていたメアリー・ケイトは、ショーンに脅かされて立ち去ろ
うとする。

しかし、ショーンはメアリー・ケイトの腕を掴み、彼女を抱き寄
せてキスしてしまう。

ショーンの無礼な態度に憤慨するメアリー・ケイトだったが、
彼の自分に対する言葉に心を動かされ、キスを返して立ち
去る。

翌日、シリル・プレイフェア牧師(アーサー・シールズ)と妻の
エリザベス(アイリーン・クロウ)がショーンを訪ねてくる。

プレイフェアは、”ソーントン”という名前に聞き覚えがあること
を伝えるが、ショーンは表情を曇らせてしまう。

ショーンが、巨大なベッドを家に運び込もうとしているのを見た
メアリー・ケイトは、その後、家の前で酔ったミケリーンが待ち
構えているのに気づく。

メアリー・ケイトは、ミケリーンがショーンの依頼で、結婚の申し
出の許可を得に来たことを知り彼を歓迎する。

ミケリーンは、ショーンが財産には全く興味がないことを伝える
が、メアリー・ケイトは、代々受け継がれた家具と持参金を持っ
て嫁ぐことを告げる。

そして、メアリー・ケイトは、自分の意見としては結婚の申し出
を受け入れることをミケリーンに伝える。

後日、ショーンは、正式にメアリー・ケイトとの結婚の許可を得
ようと、ダナハーの家に出向く。

しかし、まともに話そうともしないダナハーに、ショーンは怒りを
隠せず帰ろうとする。

さすがのメアリー・ケイトも、兄の同意と持参金のない結婚は受
け入れられず、諦めてしまう。

アメリカ人のショーンには理解できないアイルランドの仕来りだ
ったが、どうにもならないことだった。

その後、ショーンは心を閉ざし荒馬に乗り鬱憤を晴らし、村で
メアリー・ケイトに会って簡単な挨拶しかしなかった。

そこで、ショーンがメアリー・ケイトからティラン夫人に乗り換え
たと思い込む、彼女に心を寄せるダナハーの焦りを利用して、
ロナガン神父とミケリーンはある計画を練る。

妹メアリー・ケイトがいなくなれば、ティラン夫人がダナハーに
なびくという考えを、ミケリーンは競馬レースの際に彼に伝える。

そしてレースは始まり、ティラン夫人は思わずダナハーを応援
してしまう。

結局、出遅れたショーンがレースを制し、ティラン夫人の帽子
を取りながらゴールする。

メアリー・ケイトの帽子だけが残ってしまい、彼女にとって屈辱
の結果となる。

ショーンの勇士を見たプレイフェア牧師は、彼が元ボクシング
選手だったことを思い出す。

そのことを秘密にしてほしいと、ショーンはプレイフェア牧師に
頼み、ティラン夫人に帽子を渡し優勝カップを受け取る。

それを見たダナハーは、メアリー・ケイトを嫁がせることを決意
し、それをミケリーンに伝え仲介を頼む。

そして、ようやくショーンとメアリー・ケイトは交際を許されるが、
ミケリーンの監視の下、堅苦しいデートが始まる。

しかし、ショーンとメアリー・ケイトは自転車で逃亡してしまい、
二人だけになって愛を確かめ合う。

その後、ようやく結婚することができた二人には、ダナハーか
ら持参金や家具類が渡され、人々の祝福を受ける。

やがてダナハーの挨拶が始まり、ティラン夫人との結婚を発表
しようとする。

自分が、ロネガンらに利用されたことに気づいたティラン夫人
は、憤慨してその場を去ってしまう。

ダナハーも、人々に騙されたことでショーンのことまでも疑い、
持参金を渡すことを取り止める。

あくまで持参金にこだわるメアリー・ケイトを、連れ帰ろうとする
ショーンだったが、ダナハーは憤慨し彼を殴り倒してしまう。

ショーンは気を失いながら、かつてボクシングの試合で、相手
を殺してしまったことを想い起す。

意識を取り戻したショーンはメアリー・ケイトと家に戻り、持参
金や家具もなく、肩身の狭い思いをしている彼女に優しく語り
かける。

しかし、自分を使用人と思うようにとメアリー・ケイトに言われ、
拒まれたショーンは、彼女を強引に抱こうというそぶりを見せ
ただけで突き放してしまう。

翌朝、ダナハーを説得してメアリー・ ケイトの家具を届けるた
め、ミケリーンやヒュー・フォーブス(チャールズ・B・フィッツシ
モンズ
)、オーウェン・グリン(ショーン・マクローリー)らが姿を
現す。

メアリー・ケイトは感激するが、ショーンは持参金にはこだわる
必要がないことを、彼女に重ねて言い聞かせる。

わだかまりが消えた二人は、キャッスルタウンまで馬車で遠乗
りに出かける。

そこに居合せたダナハーから、持参金を受け取るよう再びせ
がむメアリー・ケイトに、ショーンは怒りを露にする。

二人は言い合いになり、憤慨したメアリー・ケイトは、ショーン
を置き去りにして立ち去ってしまう。

メアリー・ケイトは帰宅する途中、釣りをしていたロネガン神父
に、昨晩のことを話す。

釣りに夢中だった神父は仕方なくメアリー・ケイトの話を聞くが、
結婚初夜に寝袋に寝たというショーンの行動が、アイルランド
人に対する侮辱だということは認める。

イニスフリーに戻ったショーンは、パブにいたダナハーと話し
合おうとするが、彼に挑発されてもそれに応じない。

ダナハーと戦おうとしないショーンを、ミケリーンや村人は臆病
者だと思い始める。

自分が、ボクシングの試合で相手を殺してしまった過去がある
ことを知っている、プレイフェア牧師の家を訪ねたショーンは、
苦しい胸の内を彼に伝える。

引退して故郷に戻ったショーンは、再び人を殺してしまうという
恐怖から、戦わないことを心に決めていた。

そんなショーンに、プレイフェア牧師は、信者の少ない自分も
故郷のこの地から移動させられるかもしれない寂しさを伝える。

そして牧師は、ショーンに戦うことの意味を理解させ、いずれ
は戦わなければならない、ダナハーとの対決に備えさせる。

帰宅したショーンはメアリー・ケイトに迎えられ、冷静になった
二人はお互いを労わり、そして愛し合う。

翌朝、気持ちも晴れたショーンだったが、持参金もない妻とし
て恥をさらして暮すのを嫌うメアリー・ケイトは、村を出るため
家を出てしまっていた。

ショーンは、メアリー・ケイトを駅まで送ったミケリーンからそれ
を聞き、彼女を追おうとする。

馬を用意するようショーンに言われたミケリーンは、ついに始
まる戦いの気配を感じ胸が高鳴る。

駅に着いたショーンは、メアリー・ケイトを汽車から引き摺り下
ろし、徒歩でダナハーの元に向かう。

世紀の決闘が始まることを悟った村人や、視察に来た主教を
迎えに来ていたプレイフェア牧師もそれを知る。

ショーンは、メアリー・ケイトを強引に引きずりながら先を急ぎ、
彼女も殴りかかってそれに抵抗する。

村人は二人に続き、その様子がパブにいたミケリーンらにも
知らされる。

ようやくダナハーの農場に着いたショーンは、メアリー・ケイト
の持参金を要求する。

ダナハーがそれを拒んだため、ショーンはメアリー・ケイトを返
すと言い出す。

メアリー・ケイトはショックを受けるが、それならばと、ダナハー
は持参金をショーンに投げつける。

ショーンは、持参金を燃えたぎる釜の中にほうり込み、交渉成
立だと言わんばかりにメ、アリー・ケイトを連れ帰ろうとする。

ダナハーは一撃食らわせようとするが、ショーンはそれをかわ
して彼を殴り倒す。

メアリー・ケイトは、ショーンに夕食を用意しておくと言い残し
その場を去る。

立ち上がったダナハーの反撃でついに戦いが始まり、その場
に現れたミケリーンは賭けを始めてしまう。

二人の戦いは、村人を含めた大乱闘になってしまい、それを
制止したミケリーンは、”クインズベリー・ルール”に従った戦
いをさせようとする。

戦いは再会し、野獣のような男ダナハーの戦いぶりを見てい
たティラン夫人も興奮する。

村人、駅員、警察、牧師や主教までもが待望していた、二人
の対決に村中が熱狂する。

ポール神父(ジェームズ・フィッツシモンズ)の祈りを聞きながら、
臨終を迎えていたダン・トビンも、戦いを知りベッドから起き上
がってしまう。

それをポール神父から知らされたロネガン神父も、二人を止
める立場にも拘らず戦いの様子を見守る。

そして、殴り合いながら村中を巡る二人の勝負はつかずに、
パブで休息の一杯となる。

しかし、どちらがおごるかで二人は争いになり、ショーンの一
撃がダナハーの顎に炸裂する。

その後、二人は互いの強さを認め合い、メアリー・ケイトの待
つ家に戻り、和解して再び酒を酌み交わす。

数日後、村人は、プレイフェア牧師の移動を阻止しようとして、
ロネガン神父を筆頭に、皆でプロテスタントのふりをして主教
を歓迎する。

ダナハーもティラン夫人と結婚することになり、ミケリーンの
仲介で交際を始める。

そして、イニスフリーの村には平和な日々が訪れ、ショーンと
メアリー・ケイトは改めて愛を確かめ合う。

・・・・・
解説
1933年の”Saturday Evening Post
に掲載されたモーリス・ウォルシュの短編
を基に製作された作品。

戦いに疲れた元ボクサーが、平穏な生活
を求め訪れた故郷のアイルランドの片田
舎で、一目惚れした女性への愛と、それを
手に入れるために再び戦わなければなら
ない苦悩を描いたドラマ。

*(簡略ストーリー)
アメリカ人ショーン・ソーントンは、生まれ
故郷のアイルランドの片田舎の村に戻っ
てくる。
生家を財産家の未亡人ティランから手に
入れたショーンだったが、そのことがきっ
かけで、隣人の大地主ダナハーの恨みを
買ってしまう。
さらに、ショーンがダナハーの妹メアリー
・ケイトに接近したため、二人の仲は益々
こじれる。
一触即発の二人だったが、挑発するダナ
ハーに対し元ボクサーで、試合中に相手
を殺した経験を持つショーンは、頑なに戦
いを避ける。
紆余曲折の末、ショーンとメアリー・ケイト
は結婚することが出来るのだが、彼女は
仕来りにより持参金にこだわる。
二人を結婚させるために、村人に騙され
た結婚と思い込むダナハーは、ショーン
がそれに加担したと思い込み、一層彼に
敵意を見せる・・・。
__________

個人的な意見として、
ジョン・フォードジョン・ウェインのコンビ
では、「捜索者」(1965)に次いで好きな
作品。

第25回アカデミー賞では、監督、撮影賞
(カラー)を授賞した。
ノミネート
作品
助演男優(ヴィクター・マクラグレン)
脚本・美術(カラー)賞

ジョン・フォードは、前人未到の4度目の
オスカー獲得(監督賞)となった。
参考:本作以外の受賞作
・「男の敵」(1935)
・「怒りの葡萄」(1940)
・「わが谷は緑なりき」(1941)

フォード作品に馴染みのない方には滑稽
に見えるかもしれない、フォード一家の独
特のハーモニーは、これを見て皆が会話
し楽しんだ、当時の流行のような物で、こ
の雰囲気がなければ始まらないというほ
ど私は好きでたまらない。
それは中心が家族であったり、軍隊であ
ったりもする。

アイルランド人気質、つまり、気性が荒く、
大酒のみで喧嘩っ早い、しかし、団結心
があり、家族を大切にすることをモットー
にする。
それを基に作られたフォード一家の作品
が、一種独特であるのは当然理解できる。

西部劇で多く見せていたこの雰囲気を、
自分達の故郷アイルランドのオールロケ
で製作したところに価値がある。
アメリカ映画ではほとんど見かけない、
アイルランドの美しくのどかな田園風景
や町並みが素晴らしい。

アイルランドそのものを描きたいフォード
だったが、カトリックプロテスタントがうま
い具合以上に助け合っている様子が、実
に興味深く、またユーモラスに描かれても
いる。

ヴィクター・ヤングの、アイルランド民謡を
随所に使い、時に哀愁漂う効果的な音楽
も聴き惚れてしまう。

普段からお洒落なジョン・ウェインと、モー
リン・オハラ
の着こなしの良さも注目だ。   

故郷の片田舎に戻り、辛い過去を背負い、
いつもより謙虚に見えるジョン・ウェイン
なかなかいい。

ウェイン扮するショーンという名前、これは
アイルランドスコットランドで、男の子に
よく付ける典型的な呼び名で、アメリカ的
に言えば”ジョン”に相当する。
スコットランド出身のショーン・コネリーなど
が有名なところだ。

アイルランド人気質丸出しの、火の玉娘
モーリン・オハラと、ジョン・ウェインをも圧
倒する迫力のヴィクター・マクラグレン、神
父役のウォード・ボンド、未亡人ミルドレッ
ド・ナトウィック
などのキャラクターは、他の
フォード作品同様に大いに楽しめる。

翌年亡くなるジョン・フォードの兄フランシ
ス・フォード
の、対決が始まり臨終の床か
ら起き上がってしまう老人役も可笑しい。
フォードは兄のために、ラストで主演二人
の直前に登場させる気の使いようだ。

酔いどれの世話好きミケリーン役バリー・
フィッツジェラルド
とプレイフェア牧師役の
アーサー・シールズは兄弟。
モーリン・オハラとフォーブス役のチャール
ズ・B・フィッツシモンズ
、若い神父役ジェー
ムズ・フィッツシモンズ
も姉弟。
また子役でジョン・ウェインの子供達、特に
この後ジョン・フォードに可愛がられるパトリ
ック・ウェイン
がスクリーンデビューし、プロ
デューサーになるマイケル・ウェイン、娘達
もレースの場面で登場する。

この作品には裏話があり、上映時間129分
が長いと主張する映画会社は、2時間以内
に収めることをジョン・フォードに要求する。
フォードは要求通り2時間の試写を会社側
に見せるが、クライマックスのウェインマク
ラグレン
の対決の途中で上映が終わってし
まい、会社側は当然129分の上映を認めた
ということだ。

いつもよりさらに大きく見える逞しいジョン・
ウェイン
は、ミケリーン役の小柄なバリー・
フィッツジェラルド
(162cm)から、”6フィー
ト6インチ(198cm)かい?”と聞かれ、
”4&1/2(194cm)”と答える場面で、その
巨体を強調させている。
ウェインは誰よりも大きく、強くなければなら
ない、そこがファンにはたまらなく嬉しいのだ。

アメリカでは今でもジョン・ウェインの作品が
上映され、スクリーンに彼が登場するだけで
大喝采が起きる。 
そういう文化があることが実に羨ましい。

そして、かつて、晩年のジョン・ウェイン作品
を劇場で見る時、タイトルクレジットに
”JOHN WAYNE”と映し出されただで涙し
た自分も、その気持ちは同じだ。

主人公を励ます牧師(A・シールズ)の夫人
アイリーン・クロウジョン・フォードの娘婿
であり、本作でも美声を聴かせてくれるケン
・カーティス
、村人ショーン・マクローリー、後
年「エクソシスト」(1973)の監督役で出演す
るダナハー(V・マクラグレン)の使用人ジャッ
ク・マックゴーラン
、ポール神父(J・フィッツシ
モンズ
)の母親役メエ・マーシュなども共演し
ている。

・・・・・

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